この映画。
私は非常に良いタイミングで観ることが出来た作品だと思っています。
映画の出来不出来というのは観る方の多くに影響を及ぼしますが、それを観る側の人間も主人公なため、観る人の観るタイミングというものは作品の評価に大きく左右されます。
「面白かったよ」と言われて観てみれば、まず粗から探し出す人もいますでしょうし。
また、その逆もあるでしょうし。
私は今回、比較的フラットな状態で観ることができました。
そして、映画のことなどほぼ書き残さない私が、こうしてブログに書き残したくなるほど感動したわけですから、本当に良いタイミングだったわけです。
様々な登場人物が様々な想いを寄せ壮大なストーリーが展開していきますが、本当にその視点が多様なため、どのような立場の人が観ても、誰か一人には必ず思い入れ出来る登場人物が現れるのではないでしょうか。
だからこそ長年多くの方に親しまれてきた作品なのだと感じました。
生と死。
親と子。
成功と失敗。
幸福とは?不幸とは?
正義とは?悪とは?
強さとは?弱さとは?
神とは?
愛とは?
小さな歯車がいくつも噛み合ったことで現在があり...
それは観客も含め誰もが同様に奇跡的な出会いと別れで成り立っていることを感じさせてくれます。
真実は一つではありません。
価値観は人それぞれです。
未来は無限に広がっています。
今、右手に持っている缶コーヒーを左手に変えただけでも歴史は変り、例えソレを右手に戻したとしても歴史は元には戻りません。
歴史は変えやすくもあり、変えにくくもあります。
無駄だったか無駄じゃなかったかを判断するのは自分自身です。
自分の罪を心から知り生まれ変わる人もいれば、略奪と快楽を心底楽しむ人がいることも真実です。
多様な人々が多様な価値観で多様な真実を導きだす。
人生とは不思議なものです。
少し抽象的すぎたので、もう少しだけ作品自身に深く触れるならば...
作品中9割は歌っているのですが、ミュージックとして美しくもあり、メッセージとしても気持ちが伝わってくる、どちらの観点から聴いても心揺さぶる迫力です。
ただ、私にはいくつか疑問点が残ったので、ミュージカルに詳しい方などに、その疑問をぶつけたことで「そうなのか...」と解決する部分がありました。
つまり、全く描かれていない舞台背景などもあったわけです。
そうした部分を強く感じてしまうと全体的に曇って見える場合もあると思いますが、今回私は、また観たい&聴きたい作品となりました。
いやいや、ほんと考えさせられますね。